回顧

THE BACK HORN との出会い、思い出

私はTHE BACK HORN というバンドが好きです。知っていますか?

日本のロックバンドで現在も精力的に活動中です。

横文字のミュージシャンなんぞ、日本にごまんといるのに、知らないバンド(グループ)名を聞くと「日本人?」と聞き返す人が大量にいる問題は置いておきます。

取りあえず「邦ロック」というジャンルにおいては、ファンでなくとも「ああ知ってる」「フェスで見た」「○○(代表曲)なら音源持ってる」というくらいの知名度にはなっています。

2015年末現在、そんな感じ。「邦ロック」なんて言葉すらなく、その界隈の方でも知らない人のほうが多かった時代を知っている私にとっては、隔世の感があります。

振り返ってみると、自分は随分とこのバンドに影響を受けてきたなあと思います・・・。

 

 

00年代前半、彼らの知名度はほとんどありませんでした。辺境の街、釧路の大学生だった私には、尚更知る由もありません。

当時の私は、行きたかった東京の大学にも家庭の事情で行けず、「こんなバカな大学を出たところで・・・」とロクに勉強をしませんでした。

講義を途中で抜け出して、図書室でマンガを読んだりして過ごしていました。

かといって、お遊びサークルでワイワイやるようなタイプでもなく、ただバイトしているだけの、やりたいことも何もない、無気力な大学生だったのです。

ー何かをしなければー そんな「自由の重圧」が常に重くのしかかってくる毎日。

好きな音楽に救いを求めようと思っても、高校生の時に好きだったラルクアンシエルは活動休止中。ルナシーも終幕という言葉を残し、解散してしまいました。

同じ系統の人たちはパッタリと姿を現さなくなり、せいぜいジャンヌダルクが「最後のビジュアル系」などと言われ、細々とテレビに出ていたくらいです。

代わって表舞台に登場してきた「青春パンク」や「ヒップホップ」は、どうにも好きになれませんでした。それでも流行りに乗って、レンタルしたりもしていましたけどね。

(モンゴル800とかロードオブメジャーとか、懐かしい!!)

いいなと思ったのは、Mステのランキング紹介コーナーでリフだけ聴いて「おっ!」と反応したBRAHMANくらい。

それも半分は全曲英語詞なので、当時の私には 直球で響いてくるものではありませんでした。

 

 

「オレはロックが聴きたいんだ!」とレンタル店やCDショップで探し回りました。しかし、なかなか見つからない。

洋楽にもチャレンジしてみましたが、曲調は好みでも日本語じゃないと心に響いてこないのです。

BGMじゃなくて、響いて、揺さぶられるようなものを求めていたのです。

そんな中、突如ランキング上位に昇ってきた人達がいました。お!これは!と感じたのです。

ACIDMANの赤橙でした。すぐに1stアルバム「創」を買いました。求めていた奴だ!ようやく見つけた!そう思いました。

しかし、魂を揺さぶられたかといえばどうでしょう。曲調はすごい自分好みで、激しくも綺麗なメロディラインで・・。でも心が動いたかといえば?

 

 

ただ、無意味に時間が流れていく。BRAHMANもACIDMANも、自分の中で声を大にして「これが一番好きだ!」ということが出来ず、

五里霧中の日々は続いていったのです。

 

 

出会いは突然やってきます。深夜にライブ映像をひたすら垂れ流しているテレビ番組があり、たまたまスイッチを入れたらそれが流れました。

多くの観客が、Tシャツ姿で拳を振り上げ、前のめりになって、音楽に酔っている。音よりもまず、その光景が焼き付けられました。

最果ての街に生まれ育った私には、まずそれが印象的で、潜在意識の中に「自分もこの世界の住人になりたい」という願望が植えつけられたのだと思います。

遅れて音が入ってきます。今まで聴いたことのないような曲調。重く心に響いてきました。

 

ーあのバンドはなんという名前なのかー

 

 

少し経って、自分のバイト先のレンタルビデオ店の新作アルバムコーナーに、一際異質な光を放っているジャケットがありました。

THE BACK HORN 「心臓オーケストラ」

なんとなく、借りなくてはいけないような気がし、レンタルしました。

 

世の中に、こんな音楽があったのか・・。

 

自分の求めていたバンドサウンドに、これだ!これなんだ!心に響く、魂を揺さぶられるとは、こういうことなんだと初めて知りました。

ギター、ベース、ドラムの重低音。ボーカルの鬼気迫る叫び。

ジャケットや歌詞カードのデザインも、歌詞そのものも、人間の感情をえぐり出したようなもので、軽いノリで恋愛を歌う「青春パンク」などとは比べ物にならなかったのです。(個人の感想です。)

 

この人達が1番だ!!!

 

 

ラルクに代わる1番を見つけた私は舞い上がりました。ACIDMANみたいに、メディアで話題になるかも!とも思いました。

しかし、そんなことは全くなく、バイト中にレンタル回転数をこっそりチェックしてみても、レンタル回数は私が借りた1回のみでした。

大きく世間ズレした作品だったのでしょう。

高校生の頃、オリコンのランキングマニアだった私にはある程度売れてほしいとの思いがあり、世間に全く注目されないのは悲しいことでした。

 

 

その思いとは別次元で、過去の曲も聴きたくなります。

一つ前のメジャー1stアルバム「人間プログラム」を玉光堂で買います。心臓オーケストラ以上にエグい。しかし惹かれる。

その中のシングル曲「空、星、海の夜」

この曲だ!あのライブ映像はこの曲だったんだ!

あれはバックホーンだったんだ!

 

 

「ライブというものに行ってみたい」

 

 

大学生活の後半、ラルクは活動を再開しましたが、どうも自分の好きなタイプの曲を作ってくれません。

対してバックホーンは3rdアルバム「イキルサイノウ」を発表。

ブレずに人間の負の感情というものをえぐり出し、表現していました。

心の闇をくっきりと浮かび上がらせてくれていたのです。

 

2005年卒は氷河期の最後の世代。片道4時間かけて札幌へ行き、誰でも正社員になれた世代の面接官に小バカにされ、打ちひしがれる。

そんな生活だったから、尚更彼らの退廃的なロックに惹かれたのかもしれません。

 

音楽が支えになっていた時代でした。

 

 

やっぱり自分は、多様性が受け入れられ、娯楽も仕事も選択肢が多い大都会に行きたい。

そんな思いもむなしく、最果ての街、釧路よりもさらに奥まったイナカへ就職することになりました。

内陸の大酪農地帯。半官半民のような団体で働きました。

ラルクだけでなく、ACIDMANも傾向が変わっていく中で、4th「ヘッドフォンチルドレン」がまた名作でした。

不本意な過疎地の生活でしたが、社会人になって金銭的な余裕が出てきていました。そうだ、ライブに行ってみよう!

 

 

札幌ペニーレーン、ヘッドフォンチルドレンのアルバムツアー。

それが私にとって初めてのオールスタンディングのライブでした。

初めて生で見た彼らの姿。演奏。叫び声。

狂っていた。本当に。

 

 

翌年、5th「太陽の中の生活」では随分と変わってしまった感じを受けましたが、たまたまだと思いました。

ツアーは丁度GWと重なり、帯広と札幌の2か所でライブを観ました。

 

 

とにかく行動しよう!くすぶるな!

日本のはじっこで絶望を叫ぶこともあったけど、それだけではダメだ。

車で7~8時間。鉄路で6時間。当時住んでいた標茶町から札幌までの所要時間です。

だからなんだ。それがどうした。

札幌近くの石狩湾新港で開催される「ライジングサンロックフェスティバル」にも2年続けて参加しました。

バックホーンは出ませんでしたが、レミオロメン、ストレイテナー、locofrank、藍坊主、DOPING PANDA、など好きな人達が沢山できました。

同時にイベントの公式掲示板で似たような趣味の仲間もできました。

バックホーンの知名度はイマイチでしたが、それでも知っている人がいるというだけで、嬉しかったのです。

 

 

とはいえ一般レベルではそれらのバンドの知名度は地の底です。オリコンランキング200位に入るのも難しい人達だっています。

(レミオロメンは粉雪発表前です)

さらにここは農村。ロック好きなんていません。同年代はいないこともないですが、パチンコや酒、女の話しかしません。

週末、実家に帰るため、反射板を頼りに夜の国道を走りながら、ヘッドフォンチルドレンを流していました。

「こんなバンド、誰も知らない」頭の中で呟きました。

 

せめてライジングサンで会った人達と近くにいたい。

じゃあ、札幌に行く?でも今更札幌なんてつまらない。

進学や就職で、当たり前のように皆が行く土地ではないか。

だったらオレは東京へ行く!

あのライブ映像の中の住人になろう。

無数にあるライブハウスで、時には観客数人だったりして、そういうカルチャーに埋もれるんだ。

東京へ行くという、強い原動力が生まれたのです。

 

東京に来て、8年以上が過ぎた今、初心を忘れまいと思い出しました。

(2015年12月)

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